治療共同体について
筑後いずみ園の治療は、アメリカので精神分析のメッカと呼ばれていたメニンガークリニックの治療モデル「治療共同体モデルに基づく多職種による力動的チーム治療」を基本としています。
治療共同体の基本理念
- 社会的な構造(コミュニティー)そのものが考えや感情や行動を修正する力を持つ。
- 社会的規範は行動を修正させる潜在的力である。
- 情緒的な障害を呈している子どもであっても、同時に多くの未知の能力を持っている。
- 子ども達も子どもとしての援助能力を持っている。
- 子ども達も子どもとしての責任ある行動を取りうる。
- コミュニティーを治療的なものにするには、心を開いて他の人々と交流しあうといった結びつきが不可欠である。こうした理由から、当園では多くの会合(ミーティング)を必要とする。社会構造・社会規範を維持発展させるのは、この社会に所属するすべての人たちの協同作業である。
- スタッフ間の障害された人間関係と子ども達の障害された行動との間には直接の因果関係がある。
- スタッフの役割は子ども達が“成長”することを、つまりコミュニティーにおける生活体験から多くのことを学び、成長するよう勇気づけ、それを許すことである。
- 各専門職間の情報交換は治療上きわめて重要である。子ども達の治療に関する重要な決定はチームレベルでなされてこそ最良である。
- チームは決定において民主制を取っているわけではないが、子ども達も、治療スタッフも誰もが自分達の考えを出し合うよう鼓舞されるものである。
- 治療共同体とは治療形態であると同時に、1つの生活共同体である。多くの治療形態のように、その最終目標が治療的であるということである。また、多くの生活共同体のように常に変化している。つまり、そこに住む人々の必要性や息遣いや価値観や振る舞いや生きる術を反映している。このように、治療共同体とは近づいても決してたどり着くことのない目標に向かう発達過程なのである。