チーム医療について
多職種によるチーム治療
「筑後いずみ園」での生活のすべてが子ども達の治療です。その中で、医師、心理療法士、ソーシャルワーカー、保育士、児童指導員、看護師、栄養士、事務員が治療チームとして協働し、専門の治療技法で対応しています。また、当園ではスタッフミーティングを施設全体の「治療的な社会化」の原動力として徹底し、子どもの日々の様子の共有、学校との連携、グループや個別相談の方針などを話し合いながら、治療を進めていきます。
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医師の役割
医師は子どもの発達や、心と体の状態に関する専門家です。筑後いずみ園の治療において、医師に求められる重要な役割の一つは、各職種からの情報を得ながら適切な診断を行い、治療の指針を明確にし、治療の進行状況を分析し、必要に応じて検査や薬剤などの処方を行うことです。また、子ども達の園への入所や退所など、重要な決断に際して、治療チームと話し合います。
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心理療法士の役割
子ども達の外見からは理解できない問題点や、治療の進行に伴う心理状態の変化を把握するために、様々な種類の心理検査を子どもの状態に合わせて行い、それによって子ども達自身も自分についての理解が深められるように援助をします。また、集団療法だけでなく、子ども達一人ひとりに個別の心理療法(カウンセリング・プレイセラピーなど)を行い、子ども達が自分の問題に取り組んでいけるように援助します。
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児童指導員・保育士の役割
児童指導員や保育士は子ども達の生活環境を整え、生活指導を通して母性的養護・父性的養護の役割を担います。家族から離れて、治療のために入所している子ども達に、温かな配慮をもって、園での生活が安心なものになるように、治療チームや子ども達どうしが信頼できるように、援助していきます。
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ソーシャルワーカーの役割
ソーシャルワーカーは子ども達の入園中および退園後の生活に向けた各種の社会福祉・保障制度やサービスなど、現在の社会資源を活用する援助・協力をします。また、児童相談所の担当ケースワーカーと連携しながら、家族関係の調整や関係機関との調整を行います。
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看護師の役割
看護師は子ども達の精神状態はもちろん、身体状態について常に見守るべき責任を持っています。身体測定なども行い、子どもの成長を確認します。精神的・身体的配慮が必要と判断した場合、看護スタッフが様々な提言を治療チームに行い、適切な看護ケアや処置を行います。服薬治療が必要な場合には、看護師は医師と連携し、薬に関する情報を伝える役割も担います。
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栄養士の役割
園の食事における栄養管理業務を担当しています。その献立は、年齢や状態によって決められた栄養所要量に沿って作成するだけでなく、治療チームから情報を得て、子ども達の心と体にあった食事を提供します。さらに、医師の診断によって食事療法が必要であると判断される場合には、医師から指示される栄養量の食事箋に基づいた治療食(特別食)を提供します。食育を通して、成長盛りの子ども達の健やかな成長を支援します。
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事務員の役割
筑後いずみ園では事務スタッフも治療環境を整える重要な治療チームの一員です。さまざまな治療チームの会議にも参加して、子ども達の状況を把握し、子ども達にとって安全で快適な環境を作り出し維持することに努めます。治療的環境の提供を通して、子どもの健やかな成長と、治療の促進を支援します。